発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034201
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81歳男。胸痛が出現して救急搬送され、急性心筋梗塞(AMI)を疑い冠状動脈造影を施行したところ回旋枝#13に100%狭窄を認め、経皮的冠状動脈形成術を施行した。AMI発症より再灌流までは約3時間であった。術後血行動態は安定化したが、11日目の心臓超音波で2cm大の仮性左室瘤を認め、その後徐々に増大して55×41mmとなり、カラードプラでは流入血流を認めた。AMI発症後25日目に仮性瘤切除術を施行し、左室下壁の心尖部寄りに瘤を認めた。体外循環を確立して心停止下に心臓を脱転し、心外膜を除去したところ3×3cmの菲薄した心筋を認め、その中心部に3mmのホールが存在した。周囲の心筋は比較的堅固であったため、菲薄した心筋部分に3cm大のヘマシールドパッチを縫着し、残存する左心室壁をテフロンフェルトストリップを用いて心筋をラッピングするように縫合した。術後3日目にICUを退室し、15日目にリハビリ目的で転院した。
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