発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350511
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76歳女。1週間ほど前からの心窩部不快感のため、近医で急性胃腸炎として内服加療を受けていた。呼吸困難、心窩部痛が出現した。心電図上、II、III、aVFでST上昇、Q波を認め、胸部CTで心嚢液貯留も認めた。心エコー、心臓カテーテル検査で右冠状動脈閉塞に伴う心筋梗塞、心室中隔穿孔を確認した。心電図上Q波が出現し、採血上CK、CK-MBの上昇は認めなかったことなどより、1週間ほど前に発症した亜急性期心筋梗塞と考えた。循環は比較的安定していたが、今後の循環動態の悪化の危険性を考慮し、緊急手術を行った。心腔内を観察すると後方型心室中隔穿孔を認め、右室破裂部と中隔穿孔部は近接していた。第4病日に人工呼吸器からの離脱に成功した。第13病日に一般病棟へ転棟した。以後も順調に経過し、第28病日に独歩で退院した。
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