発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011245570
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52歳女性。患者は胸痛を主訴に近医を受診、精査にてStanford A型急性大動脈解離と診断され、著者らの施設へ救急搬送された。胸部X線では心胸郭比60%と、心拡大および左側に偏位した心陰影が認められた。また、胸部CTで右肺は正中を越え過膨張し、大動脈基部に解離がみられ、心臓は左側に偏位していた。一方、左肺は上行大動脈と肺動脈幹に陥入していた。以上より、本症例は大動脈弁閉鎖不全症を伴うStanford A型急性大動脈解離と診断され、緊急手術が施行された結果、術中所見では先天性左側完全型心膜欠損症が判明したものの、左横隔膜神経を損傷することなく、大動脈基部置換術+弓部大動脈人工血管置換術を施行することができた。尚、術後経過は良好で、患者は17日目に退院となった。
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