発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013219808
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51歳男性。既往歴として30歳時にIgA腎症に対する腎移植手術があった。今回、前胸部の絞扼感を主訴に著者らの施設へ受診、Seg.13の完全閉塞に起因する急性心筋梗塞の診断でSeg.13の血栓吸引および経皮的冠状動脈形成術が行われた。だが術後、腎不全が進行し血液透析が導入されるとともに、心臓超音波検査を行なったところ、左室後壁の心外膜下瘤が認められ、これが徐々に増大していった。以後、無症状であったが、心外膜下左心室瘤の破裂の可能性を考慮して手術適応とし、術前は術後感染症予防としてazathioprineの中止、ciclosporinの減量を行ない、手術当日まで内服した。一方、手術は胸骨正中切開で開胸し、心外膜下左心室瘤に対しパッチ閉鎖術が行われた。その結果、術後は瘤の消失を認め、良好な経過が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013