臨床経験
心筋梗塞後心室中隔穿孔の手術直後に発症した多量シャントに対する手術方法
山内 孝
1
,
高野 弘志
,
金 啓和
,
竹内 麦穂
1大阪府立病院機構大阪府立急性期総合医療センター 心臓血管外科
キーワード:
手術創離開
,
心エコー図
,
心筋梗塞
,
心電図
,
心膜
,
心室中隔穿孔
,
心臓血管系奇形
,
胸骨切開術
,
心臓カテーテル
,
心膜パッチ
Keyword:
Echocardiography
,
Electrocardiography
,
Myocardial Infarction
,
Pericardium
,
Surgical Wound Dehiscence
,
Ventricular Septal Rupture
,
Cardiovascular Abnormalities
,
Sternotomy
,
Cardiac Catheters
pp.999-1002
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017078312
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84歳女性。胸痛の出現に続き、労作時息切れを認め、循環器内科へ受診となった。心電図所見ではV2-5のST上昇と異常Q波を認め、心エコーでは前壁中隔の壁運動の低下と前壁中部心室中隔に9mmの心筋梗塞後心室中隔穿孔(VSP)が認められた。また、心臓カテーテル所見では左前下行枝起始部に100%の狭窄が確認できたほか、血液ガスデータからのQp/Qsは2.7であった。以上より、本症例は心筋梗塞後の前壁型VSPと診断、大動脈内バルーンパンピングを挿入し、緊急手術となった。手術は大きなパッチを用いるサンドイッチ法とinfarct exclusion法で用いるコーン状パッチを使用した。その結果、術後の心エコー像ではQp/Qsは1.2程度の心尖部側に微小残存シャントが認められたものの、経過良好で患者は独歩退院となった。
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