発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071381
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52歳女。患者は心窩部痛および体重減少を主訴とした。胸部X線では背側胸壁に接して肺野側に突出する平滑な腫瘤が認められたが、体位変換による腫瘤影の移動は確認できなかった。一方、CTでは左背側胸壁に接し、胸内腔に突出する径35×22mm、内部均一で境界明瞭な腫瘤が認められ、胸膜との移行部はなだらかであった。これらの所見より本症例は胸壁原発の孤立性線維腫瘍(SFT)が疑われ、手術が行なわれたが、左肺下葉背側に台形状で臓側胸膜から発生する有茎性腫瘤がみられ、これを切除した。更にHE染色では細胞境界の不明瞭な紡錘形細胞が太い膠原線維を背景として不規則な束上配列を示しながら増殖していた。以上、組織形態と特殊染色、免疫染色の結果からSFTと診断されたが、目下、術後100日経過で再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009