発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071380
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31歳女。患者は予定していた子宮筋腫、骨盤内子宮内膜症手術の術前胸部X線で右気胸を指摘された。月経時に軽度の胸部違和感、胸痛を自覚しており、ドレナージで気胸改善後も月経に一致して再発したため、月経随伴性気胸が疑われた。手術適応と判断し、胸腔鏡手術を施行したところ、横隔膜上に嚢胞状病変がみられ、また腱中心よりには暗紫色の斑状病変の集簇が認められた。病理組織所見では横隔膜内に子宮内膜症がみられ、暗紫色の病変にも出血を伴った子宮内膜症が認められた。更に気漏が遷延し、第17病日目に退院となったが、退院後はじめての月経で再発が生じ、挙児希望であることからホルモン治療は行なわれなかった。本症例の原因が内膜症の残存と考え手術が施行されたが、病理組織所見では肥厚した胸膜組織中に子宮内膜症がみられ、術後も気漏の消失と出現を繰返した。また、小腸内膜症を伴うIV期の内膜症も認められ、自然妊娠は困難との判断でホルモン療法を開始したところ、投与後3週間で気漏は消失し、患者は軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009