発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071382
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66歳女。患者は2006年に他院で子宮体癌に対し広範子宮全摘術を受けるも、2007年5月には胸部CTで右S8領域に20mmの比較的辺縁が整の腫瘤が認められた。明らかな子宮体癌の再発や遠隔転移、リンパ節腫大はみられなかったものの胸腔鏡下右肺下葉切除術およびリンパ節郭清が施行され、術後の病理診断は肺原発の腺癌を伴う大細胞神経内分泌癌、病期IAの診断であった。その後、2008年3月、左顔面の痺れを訴え、MRIで小脳、右後頭葉に多発脳転移が認められたためサイバーナイフが施行された。だが同年5月、肝転移、肝門部、幽門節付近のリンパ節腫大、左副腎転移が認められ、更に右扁桃、脊椎、肋骨にも転移がみられ、肝腫大も著明となった。以後、患者は全身状態が急速に悪化し、最終的に術後14ヵ月で死亡となった。尚、本症例ではCD56、シナプトフィシンが陽性であり、脳転移、肝転移、副腎転移が認められたこと等から、血行性に転移したものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009