発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114070
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81歳男、呼吸困難を主訴とした。7年前より胸部X線にて右下肺野に腫瘍を認め増大し、在宅酸素療法を要するようになった。呼吸機能検査では軽度の拘束性換気障害を認め、胸部X線、CT所見では直径15cm大の腫瘍が右下胸腔を占拠し、右下葉は圧迫・虚脱されていた。手術を施行したところ少量の血性胸水を認め、右上葉と下葉の間に存在した腫瘍を摘出した。腫瘍は重量1050g、最大径18cmで被包化されており、割面は灰白色、葉状であった。病理組織所見では紡錘形の細胞が不規則・柵状に配列し、核異型度が高く多数の核分裂像を認め、免疫組織化学的にbcl-2、CD34陽性で悪性の孤立性線維性腫瘍と診断した。術後経過は良好で、術後6日に酸素投与を必要としなくなった。現在まで再発の徴候はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007