臨床経験
血胸を契機に発見された限局性悪性胸膜中皮腫
妻鹿 成治
1
1医誠会病院 呼吸器外科
キーワード:
胸部X線診断
,
胸部外科
,
胸膜腫瘍
,
血胸
,
中皮腫
,
胸部CT
Keyword:
Hemothorax
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracic Surgical Procedures
pp.218-221
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016152991
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49歳男。労作時呼吸困難を主訴に、近医にて右胸水貯留を指摘され、当院紹介入院となった。腫瘍マーカーはCYFRAのみ異常高値を示し、胸部X線では右胸腔内に貯留液を認めた。右胸腔ドレナージ後の胸部CTでは右第5~7肋骨レベルの壁側胸膜より胸腔内へ隆起する約7cm大の腫瘤を認めた。生検にて悪性胸膜中皮腫が強く疑われたため、腫瘍切除術を施行した。腫瘍切除後は胸腔内を温蒸留水で洗浄し、腹壁欠損部をcomposix meshで再建した。病理組織学的所見および全身検索の結果、限局性悪性胸膜中皮腫と診断された。術後経過は良好で、術後第30病日より化学放射線療法を3コースを施行した。術後6年経過した現在、再発や転移はみられない。
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