発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013257876
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35歳男。咳嗽、胸痛を主訴とした。胸部CTで前縦隔から左心外側窩縁にかけて巨大腫瘍を認め、その上方部分は軟部組織主体の不整分葉状腫瘤であり、CTガイド下生検にて肉腫または癌肉腫疑いの診断であった。胸骨正中切開で開胸し、腫瘍左腕頭静脈合併切除、肺部分切除、心膜部分切除および人工心膜再建、リンパ節郭清を施行した。病理組織所見では出血・壊死を伴う腫瘍で、抗酸性の筋原生胞体を思わせる細胞を多数交え、免疫染色ではHHF陽性、αSMA陽性、MIB-1陽性であり、横紋筋芽細胞への分化を伴う胸腺肉腫様癌疑いの悪性紡錘形細胞腫瘍の診断であった。術後19日目に退院したが、3ヵ月後に胸腔内播種再発、癌性心膜炎により死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013