発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114903
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
52歳女。検診で左肺門の異常陰影を指摘された。単純X線で左肺門部に腫瘤陰影を認め、CTでは前縦隔に内部不均一な腫瘤陰影を認めた。胸部MRIでは前縦隔腫瘤を認め、肺動脈幹への浸潤が疑われた。胸腺腫を疑い、胸腺全摘術および縦隔リンパ節郭清を施行した。摘出標本の病理組織学的所見は、紡錘形、類円形の腫大した核をもつ腫瘍細胞が索状ないし乳頭状の胞巣をつくりながら線維性間質を背景に増生しており、胸腺癌、類基底細胞癌と診断した。肺実質への浸潤は認めず、縦隔リンパ節への転移を認めた。術後経過は良好で、第7病日に退院となった。術後放射線療法を60Gy施行し、化学療法を4クール施行したが、術後1年6ヵ月に胸膜播種を認め、化学放射線療法を再開した。術後3年経過の現在、病状は安定している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009