発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298957
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58歳男。顔面浮腫、呼吸困難が出現したため近医受診し、心室中隔欠損(VSD)、大動脈弁閉鎖不全(AR)による急性心不全(AHF)の診断でcarperitideを投与され、感染性心内膜炎(IE)の疑いでsultamicillinを投与を始された。しかし、AHFが改善しないため当院搬送され、X線で心拡大と肺うっ血像を、経食道エコーで大動脈弁および肺動脈弁に疣腫を認めた。上行大動脈送血両大静脈脱血により体外循環を確立し、順行性逆行性冠還流の併用により心停止を得て手術を行った。大動脈弁尖と肺動脈弁尖の著しい破壊を認めたため、疣腫を切除後、大動脈弁は人工弁置換とし、肺動脈弁は自己組織で形成した。なお、VSDに疣腫の付着はなく、直接閉鎖した。術後、疣腫内に連鎖球菌を認め、cefazolinを投与した。経過は良好で、術後28日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009