発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296149
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症例1:3歳女児。Rastelli型の房室中隔欠損(AVSD)の診断に対し5ヵ月時に修復術(two patch repair)を施行した。術後2年の心エコーでvalvular大動脈弁狭窄(AS)と大動脈弁下膜様狭窄(discrete SAS)を認め、半年後の心臓カテーテルで左室駆出率(LVEF)77%、左室造影で大動脈弁肥厚およびAS、discrete SAS、左室流出路(LVOT)はgoose neck deformityを呈した。Konno手術により大動脈人工弁置換術(AVR)を行いパッチにて閉鎖した。術後10ヵ月の心エコーでLVOTは十分に解除され心室中隔と左室後壁の壁厚は減少し心肥大所見も改善した。症例2:30歳男。幼少期より心雑音、漏斗胸を指摘されていた。約1ヵ月前から夜間の咳嗽より心不全、肺水腫と診断した。左室壁運動の低下、LVEF39%、弁口面積0.4cm2のAS、CTで弁輪、LVOTともに17mmで弁上部狭窄も認めた。大動脈弁は肥厚して一塊となり弁輪や大動脈壁の石灰化も著明であった。右室、心室中隔を切開してKonno手術を行い、大伏在静脈を用いた冠状動脈バイパス術を追加した。術後5ヵ月の心エコーで左室壁厚はわずかに改善したがLVEF40%であった。
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