発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013961
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70歳男。1年前より嗄声を自覚し、1週間より嚥下障害が出現した。内視鏡で後頭蓋から声帯にかけて腫瘍を認め、生検にて中分化型扁平上皮癌と診断された。また、腫大した左頸部リンパ節の細胞診では転移と診断された。頸部CTでは声帯を中心に上方は舌骨レベルまで、下方は気管に達する腫瘍を認め、気道は狭窄していた。また、両側頸部に転移性リンパ節を認めた。更に、胸部CTでは前縦隔に20mm大の腫瘍を認めた。FDG-PETでは喉頭腫瘤、左頸部リンパ節、前縦隔腫瘍に一致して異常集積を認めた。喉頭癌の診断で胸腔鏡補助下に前縦隔腫瘍摘出術、咽頭全摘術、甲状腺全摘術、両側頸部郭清を行った。喉頭腫瘍は中分化型扁平上皮癌、胸腺腫瘍はその転移と病理診断され、術後補助療法としてcisplatin併用の化学放射線療法を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2011