発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052477
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64歳男。1993年、検診で胸部異常陰影を指摘され、精査されたが確定診断が得られず、その後来院しなかった。1999年、再度検診で異常を指摘された。CTで右肺門を中心にS2、S6にair-bronchogram、末梢気管支の拡張を伴う海綿状の陰影を認めた。1993年の腫瘤影よりも陰影は増大していた。気管支鏡生検で右B6入口部の粘膜は浮腫状で、発赤、狭窄していた。経気管支肺生検の結果は器質性肺炎で悪性所見はなかったが、陰影の増大を考えて胸腔鏡下生検を施行した。S6部分のHE染色では胚中心性細胞の瀰漫性増殖や反応性リンパ濾胞の増生、形質細胞の混在を認めた。免疫染色ではCD79a陽性、CD3陰性で、B細胞リンパ腫の所見であり、免疫グロブリン軽鎖ではIgλ陽性で、単クローン性の増殖を認め、腫瘍性と考えられた。以上により肺MALTリンパ腫と診断した。CHOP療法を10クール施行し、CT上、部分奏功を得た。8年が経過する現在、症状なく生存中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008