臨床経験
化学放射線療法後に根治切除しえた胸腺類基底細胞癌
井上 尚
1
,
伊藤 祥之
,
西平 守道
,
荒木 修
,
苅部 陽子
,
前田 寿美子
,
小林 哲
,
池田 康紀
,
井上 裕道
,
田村 元彦
,
松村 輔二
,
千田 雅之
1獨協医科大学 呼吸器外科
キーワード:
胸腺腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
骨腫瘍
,
リンパ行性転移
,
心膜切除術
,
肺切除
,
免疫組織化学
,
サルベージ療法
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
放射線化学療法
,
胸部CT
,
類基底細胞癌
,
ADOC Protocol
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Bone Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Pericardiectomy
,
Pneumonectomy
,
Thymus Neoplasms
,
Salvage Therapy
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Chemoradiotherapy
,
ADOC Protocol
pp.352-355
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209362
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48歳男。右肩痛を主訴とした。胸部CT所見では前縦隔に多房性嚢胞を伴う不整形腫瘤と上部上縦隔リンパ節の腫大を認め、FDG-PET/CT所見では腫瘤性病変に集積がみられた。腫瘍生検の病理組織所見では免疫組織学的にp63、p40陰性であるが、扁平上皮成分への分化が乏しく、神経内分泌マーカー陰性であることから総合的に胸腺類基底細胞癌と診断した。放射線治療(60Gy)の後、残存腫瘍に対してADOC療法を6コース行い、治療効果を認めたため、サルベージ手術を行った。病理組織学的所見では断端陰性でR0と診断され、術後補助療法なく経過観察していたが、術後7ヵ月に両側鎖骨上窩リンパ節転移と骨転移を認め、術後20ヵ月現在、化学療法を行いつつ担癌生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2017