発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042662
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60歳男。褐色尿、全身倦怠感を主訴とした。4年前に急性大動脈解離に対する緊急上行弓部置換術が施行され、術後から大動脈弁閉鎖不全と心機能低下が指摘されていた。胸部X線像で両側胸水貯留、血液生化学検査で貧血、腎機能低下、LDH・AST・間接ビリルビン高値を認め、末梢血塗抹標本で多数の破壊赤血球を認めた。CT所見では人工血管中枢側吻合部から吻合部動脈瘤が生じ、小彎側から瘤によって人工血管が圧排され狭小化していた。人工血管本幹が仮性動脈瘤に圧排・狭小化されたことによる血管内溶血の診断で、上行弓部再置換術と大動脈弁置換術を施行した。術直後から溶血は改善して腎機能も速やかに正常に復し、術後20日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007