発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350520
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56歳男。1973年に大動脈弁閉鎖不全症に対し大動脈弁置換術、1977年に溶血性貧血のため再大動脈弁置換術を施行した。膵臓手術の術前CTで上行大動脈の巨大嚢状動脈瘤がみつかった。胸部CT所見では、上行大動脈の右前方に径70mmの嚢状動脈瘤を認めた。中心部が造影され、周囲には血栓と思われる低吸収域が存在した。被覆性破裂により形成された仮性動脈瘤と考えた。後方に偏位した上行大動脈は、左房を高度に圧排していた。上行大動脈置換術を施行した。特殊染色により、切除した瘤壁に動脈壁組織はなく、仮性瘤と診断した。第1病日に人工呼吸器から離脱した。第5病日に集中治療室から一般病棟へ移った。その後の経過は良好で、第23病日にリハビリテーション目的に内科へ転科となった。術後CT所見では、動脈瘤は切除され、吻合部に問題はなかった。
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