発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017304635
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50歳男。全身倦怠感、貧血を主訴とした。血液生化学検査で貧血と溶血、腎機能障害を認め、末梢血スメアで破砕赤血球を認めた。5年前に急性大動脈解離に対し上行弓部大動脈置換術の既往があり、手術直後から溶血発症前までは胸部CTにてElephant trunkの狭小化を認め、人工血管が真腔内で長軸方向に折りたたまれて生じた皺襞で形成された間隙が血栓化していたが、溶血出現後のCTでは同部の血栓が融解し血流の再疎通を認めた。Elephant trunk部人工血管狭窄による溶血と診断し、同部に対するステントグラフト内挿術を施行した。術後すみやかに溶血・貧血の改善を認め、腎機能も正常化し、第7病日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017