発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042663
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65歳男。胸部不快感を主訴とした。ticlopidineを2週間投与後、冠状動脈造影(CAG)を受け3枝病変であった。薬剤溶解性ステント挿入を試みたがCAG中に胸痛発作が出現したため、大動脈内バルーンパンピングを挿入し人工心肺非使用冠状動脈バイパス術を施行した。手術開始時と冠状動脈吻合後にaprotininを各50万単位投与した結果、手術中の出血は330ml、術後からICU退出までの16時間の総出血量は200mlであり、全体の輸血総量は術中の新鮮凍結血漿6Uおよび血小板20Uのみであった。術後の血行動態も良好であり13日目に退院した。ticlopidine投与中の緊急冠状動脈バイパス術にaprotinin投与は有用であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007