発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213778
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症例は49歳男性で、胸背部痛を主訴とした。胸部X線で遠位弓部に大動脈瘤を認め、心エコーでは大動脈弁は二尖で大動脈弁閉鎖不全III度であった。造影CTで上行大動脈から総腸骨動脈に至るStanford A型の大動脈解離と、最大径65mmの遠位弓部大動脈瘤が認められた。大動脈二尖弁に遠位弓部大動脈瘤とStanford A型急性大動脈解離を合併したものと診断し、急性期の一期的手術は侵襲が大きいため二期的手術を選択した。一期的手術として、胸骨正中切開下に人工血管による上行弓部置換術と人工弁による大動脈弁置換術を施行し、病理組織学的に大動脈壁に嚢胞性中膜壊死が認められた。その約3ヵ月後、二期的手術として人工血管による下行大動脈置換術を行った。一期、二期とも術後経過は良好で、職場復帰が可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011