急性大動脈解離の外科治療
臓器虚血 臓器虚血をきたした急性B型大動脈解離の治療経験
高橋 皇基
1
,
高橋 昌一
1星総合病院 心臓血管外科
キーワード:
虚血
,
膝窩動脈
,
超音波診断
,
大腿動脈
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
大腿動脈膝窩動脈バイパス術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Femoral Artery
,
Ischemia
,
Popliteal Artery
,
Ultrasonography
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.303-307
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205501
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臓器虚血を来した急性B型大動脈解離の治療成績を検討した。対象は2004年1月~2006年6月までに治療が行なわれた9例(男性8例、女性1例・平均年齢60.3歳)であった。治療方針は破裂、切迫破裂、重要臓器の虚血を認めた場合は外科治療を、認めなければ保存的治療を選択した。1)9例中7例で急性期に外科治療を行った。内訳は上腸間膜動脈(SMA)バイパス術1例、腹部大動脈-両側大腿動脈バイパス術後にSMAバイパス術1例(半年後、腹部大動脈瘤破裂で搬送され、人工血管置換術を施行したが多臓器不全で死亡)、腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス術2例、大腿動脈-大腿動脈バイパス術3例であった。一方、保存的治療は2例で、うち開腹歴のある1例は発症21日目に食道小腸吻合部潰瘍穿孔を認め、腸切除と再建術が施行された。2)平均在院日数45.6日で全例において軽快退院となったが、半年後に前述の1例を失った。
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