急性大動脈解離の外科治療
臓器灌流障害を伴ったStanford A型急性大動脈解離の手術成績
大村 篤史
1
,
中井 秀和
,
南 一司
,
石垣 隆弘
,
幸田 陽次郎
,
立石 直毅
,
谷 一宏
,
邉見 宗一郎
,
村上 博久
,
本多 祐
,
松田 均
,
吉田 正人
,
向原 伸彦
1兵庫県立姫路循環器病センター 心臓血管外科
キーワード:
灌流
,
危険因子
,
虚血
,
生存率
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
脳循環
,
ロジスティックモデル
,
近赤外分光法
,
経食道心エコー図
,
治療成績
,
年齢因子
,
大動脈置換術
,
Kaplan-Meier法
,
脳分離体外循環
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Age Factors
,
Cerebrovascular Circulation
,
Ischemia
,
Perfusion
,
Risk Factors
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Survival Rate
,
Logistic Models
,
Spectroscopy, Near-Infrared
,
Treatment Outcome
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.304-309
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016224001
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著者らが手術治療を行ったStanford A型急性大動脈解離336例を対象に、これらを臓器灌流障害あり群76例となし群260例に分け、術後早期・遠隔期成績を比較検討した。その結果、1)臓器灌流障害あり群はなし群と比べ、複数ヵ所の送血路の割合が有意に多く、手術時間が有意に長かった。2)臓器灌流障害あり群の30日死亡率/病院死亡率は21.1%/22.4%であった。3)臓器灌流障害の合併は病院死亡の有意な危険因子であった。4)臓器灌流障害の内訳は中枢神経が38例と最多で、次いで四肢末梢が26例、冠状動脈が13例、腹部臓器が8例の順であった。5)臓器灌流障害あり群の5年生存率は84.5%、10年生存率は41.8%で、なし群ではそれぞれ80.9%、59.3%と、両群間で有意差は認められなかった。
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