発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269252
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67歳男.感冒様症状,胸背部痛を主訴とした.血圧は160/90mmHg,白血球数(WBC)9700/μl,C反応性タンパク(CRP)19.2mg/dlであった.胸部MRI,CTでは,大動脈弓部小彎側に造影剤の漏洩を認めた.降圧療法により,バイタルサインは安定した.その後,血管造影を行ったが,MRI,CT以上の情報は得られなかった.感染性弓部大動脈瘤切迫破裂を強く疑い,準緊急手術を行った.弓部小彎側で心嚢内の出血を認め,体外循環確立後,逆行性脳灌流併用下に弓部大動脈全置換術を行った.術後,術中培養からSalmonellaを検出し,抗生物質(アンピシリン・クロキサシリン)を点滴投与した.WBC,CRPは順調に改善し,CRPは術後49日に陰性化した.術後1年3ヵ月が経過したが,抗生物質(レボフロキサシン)内服を継続しているものの,感染徴候はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006