発行日 2013年11月10日
Published Date 2013/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014064174
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症例は血液透析患者の70歳男性で、発熱と倦怠感を主訴とした。血液検査より重症感染症の診断で前病院に緊急入院し抗生物質を投与された。胸腹部造影CTでは瘤は認めず、感染源は不明であった。体温、炎症反応は改善傾向となったため一時退院したが、再度、発熱と炎症反応が上昇した。精査加療目的に紹介入院し、SBT/CPZを点滴静注した。血液培養より第5病日にグラム陰性桿菌サルモネラ属と判明し、MEPMに変更した。入院第6日目の胸腹部造影CT、胸部3D-CTにて大動脈弓部左側壁に径5.14×3.04cmの瘤形成を認め、Salmonella enteritidis(09群H-G)感染による感染性胸部大動脈瘤と診断した。瘤破裂の危険性を考慮し、炎症の鎮静化を待たず、第8病日に大網充填術併行で大動脈弓部全置換術を行った。術後経過は順調で、第45病日に退院した。
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