発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305793
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症例は45歳女性で、不明熱後に了解不能な言動不明や意識障害が出現し、頭部MRIで左中大脳動脈領域の急性脳梗塞が認められた。心エコーでは大動脈弁三尖全てに疣贅を認め、逆流はIII度で、僧帽弁は前尖弁腹に疣贅を認め、同部分から逆流がみられた。血液検査所見とあわせて活動期感染性心内膜炎による急性期脳梗塞と診断し、抗生物質投与を開始したが、4日後に嘔吐、意識消失発作を生じた。頭部CTで左前頭葉皮質下出血に脳室穿破を伴う所見を認め、感染性脳動脈瘤の破裂による出血と考え、開頭血腫除去術および脳動脈瘤切除、クリッピング術を行った。術後経過良好であったが3D-CTで脳動脈瘤様変化の所見を認め、微熱も持続していたため24日後に開心術を施行した。大動脈弁および僧帽弁の弁尖は形成術不可能と判断し、それぞれATS 21mm、Bicarbon 25mmで置換した。術後感染症状や神経症状は改善して事務仕事可能となり、その後も再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013