発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153671
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大動脈弁置換術を行った75歳以上の大動脈弁狭窄11例(男6例・女5例,平均79.7歳)の成績を報告した.全例生体弁を使用し,狭小弁輪2例にはManouguian法による弁輪拡大を,冠状動脈狭窄合併3例にCABGを追加した.11例中9例は手術当日または翌日に抜管し,11例中6例に術後急性期に一過性の心房細動を認めた.手術死亡は術後14日に不整脈を来たした1例のみで,剖検で心肥大,心筋の著明な線維化を認め,術前の大動脈狭窄による心筋障害が示唆された.他の10例は術前NYHA分類II~IV度から術後I度に軽快し退院した.耐術例の左室-大動脈間最大圧較差は術前平均106mmHgから術後3ヵ月で18.5mmHgに,左室心筋重量係数は187g/m2から127g/m2に低下した.術後6~25ヵ月経過し,1例(90歳)は術前確認されなかった脳動脈瘤の出血で2年後に死亡したが,他の9例はNYHA分類I度で外来経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006