発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157053
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65歳以上の高齢者の狭小大動脈弁輪を有する大動脈弁狭窄25症例に対し,全例生体弁を用いて大動脈弁置換術(AVR)を施行した.外側から糸かけをする最大の理由は,通常のAVRでは1~2mmある大動脈弁の遺残を完全に切除できることである.更に石灰化した弁輪では弁輪を貫通して糸かけするほうが容易である.大動脈弁の完全切除と全周外側からの糸かけにより,ほとんどの症例では弁輪上固定となり,1~2サイズ大きな人工弁の使用が可能となる.対象例では20例が全周法,5例が亜全周法によるAVRが可能であり,弁輪拡大法よりも手術時間が短縮でき,同等の効果が得られた.1例のみ術中大動脈後壁からの出血があり,フェルト付きマットレス縫合で止血した.他は冠状動脈バイパス術を2例に同時に行ったが,術中トラブルはなく,全例軽快退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006