発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157051
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1999~2005年に大動脈弁置換術を158例に施行し,狭小大動脈弁輪であった38例には血行動態性能に優れた人工弁移植を第一選択とした.そのうち重度のpatient-prosthesis mismatch(PPM)の発生が考えられた14例には弁輪拡大術(ARE)を施行した.全例を非狭小弁輪群,狭小弁輪群に,更に狭小弁輪群は弁輪拡大群と非弁輪拡大群に分類して検討した.その結果,狭小弁輪群は高齢で体格が小さく,女性の比率が高かった.AREは心虚血時間,体外循環時間を著しく延長することなく,輸血率も増加させなかった.狭小弁輪例にAREを施行しない場合には,PPM発生率が高いことが明らかになった.AREは狭小大動脈弁輪に対し,比較的簡便で有効な方法であるが,近年より大きな有効弁面積指数が得られる人工弁が工夫され,AREの適応は更に少なくなることが予想される
©Nankodo Co., Ltd., 2006