発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157057
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1984~2004年に大動脈弁狭窄が主病変である大動脈弁に対して単独大動脈弁置換術を施行した連続113例を対象に,小口径機械弁使用の狭小群44例と非小口径機械弁使用の非狭小群69例に分け,短期・長期成績および遠隔期のQOLについて比較検討した.その結果,術後短期成績では,在院死亡率,術後合併症発生率に有意差は認めなかった.術後の心エコーによる追跡では,狭小群で有意に高い人工弁圧較差を認めたが,左室心筋重量係数に有意差を認めず,十分な左室後負荷軽減が得られていると考えられた.遠隔予後は,狭小群で10年生存率89.2%,出血関連事象2.3%と良好であった.全心臓関連死亡率にも有意差はなかった.SF-36によるQOL調査でも有意差は認めず,狭小群でも非狭小群と同等の遠隔予後が期待できると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006