発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153670
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67歳男.労作時胸痛が出現し,冠動脈造影で左前下行枝(LAD)#6および左回旋枝#14の90%狭窄,右冠状動脈#1閉塞を認めた.人工心肺を用いた冠状動脈バイパス術を左内胸動脈-LAD,大伏在静脈(SV)-高位枝-左旋回枝,SV-右冠状動脈の4枝に行った.術後は比較的順調であったが,6日目に発熱,CRP上昇,胸部正中創下縁からの混濁した大量の滲出液を認めた.術後縦隔炎と考え,再開胸およびデブリドマンを行い,持続強陰圧ドレナージを開始した.ポリウレタンスポンジを短冊状にし,縦隔内に隙間なく詰め,その中心に側孔のあるシリコンチューブを通し,その上からドレープをかけて密封した.シリコンチューブは125mmHgの陰圧で持続吸引した.創部の処置は2日ごとに行い,ドレープを剥ぎスポンジを取り出し,必要があれば組織のデブリードマンを行った.その結果,徐々に創部はきれいになり,術後45日に前胸部有茎皮弁を用いて閉胸した.その後は感染なく治癒し,独歩退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006