発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157052
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過去2年半の間に,70歳以上の高齢者狭小弁輪症例12例に対してNicks法による大動脈弁輪拡大術(ARE)を施行したので,初期成績を報告した.1)男性1例,女性11例,小柄な患者が多く,全例大動脈弁狭窄(AS)を主病変とした,80歳台の6例を含め全例が軽快退院できた.2)ARE単独例は平均年齢80歳で,手術時間約5時間,大動脈遮断時間2時間余とASに対するstandard大動脈弁置換術と比べて手術時間で1時間余,遮断時間で30~40分程度の超過で終了しており,高齢という理由で回避すべき過大侵襲とは考えられなかった.3)重篤な合併症もなく,ICU滞在期間は2.6日,入院期間は十分なリハビリテーションも含め33日であった.4)複合手術例は平均年齢78.2歳で,手術時間8時間余を要し,術後呼吸不全3例で,ICU滞在期間は全例6日以上(平均11日),入院期間は49日に及んだ.観察期間は平均17.2ヵ月であるが,弁関連合併症はなく,全例生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006