発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326381
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胸骨上部部分切開法による低侵襲大動脈弁置換術(MICS-AVR)を行なった16例(男性13例、女性3例、平均年齢74.4±8.7歳)を対象に初期の手術成績と課題について報告した。その結果、平均大動脈遮断時間は120±29分、体外循環時間は151±36分、術中赤血球輸血量は2.8±3.4単位であった。周術期および術後半年以内の早期死亡は認めなかった。人工呼吸器管理時間は9.5±5.2時間、ICU滞在は3.8±1.4日、術後入院期間は27.0±22.6日であった。術後合併症は心房細動を2例に認められたが、再開胸や縦隔炎は認めず、再挿管やミニトラクト挿入、気管切開術を要する呼吸器合併症や人工弁周囲逆流症も認められなかった。課題としては、MICS-AVRの欠点である大動脈遮断時間や体外循環時間の延長があったが、解決策として術前CTによる手術難易度の評価方法が重要で、またSutureless valveが大きな役割を果たすものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017