発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055348
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症例1は18歳男で,長時間の大声での発声練習後に前胸部痛・頸部違和感が出現した.入院時胸部X線像で両側縦隔から両頸部にかけて線状の気腫像を認めたが両側とも気胸は認めなかった.胸部CTでは気管・食道・大動脈周辺の他,胸椎レベルの硬膜外腔にも気腫像を認めたが両肺に明らかなブラは認めなかった.絶飲食・安静にて予防的に抗生剤を投与し,発生練習が誘因であったことから,気管支鏡検査や食道内視鏡はその侵襲性を考慮して施行しなかった.その後,縦隔気腫と皮下気腫の拡大や炎症所見の増悪を認めず,第3病日に退院となり,3日後の胸部CTでは気腫像は完全消失していた.症例2は18歳男性で,症例1と同様の経過で入院となり,入院時画像所見と臨床経過も症例1と同様で,第3病日に退院となった.退院後約8ヵ月を経過した現在,2症例とも縦隔気腫の再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004