発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008116826
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約10ヵ月間に経験した特発性縦隔気腫5症例を、文献的考察を加えて報告した。年齢は14~25歳、男性4例、女性1例であった。4例はスポーツ中に、1例はカラオケ中に発症した。初発症状は前胸部痛4例、前頸部痛1例で、受診時は全例で頸部痛、咽喉痛を訴えた。呼吸苦を訴え、歩行困難であった1例は入院治療を必要とし、前頸部中心に皮下気腫を認めた。他の4例は皮下気腫を認めなかった。全例、中肉中背で目立った体型的特徴はなく、血圧、脈拍数、呼吸数、体温は正常であった。胸部X線では心陰影外側から気管に沿って咽喉部に及ぶ縦隔気腫を認め、CTでは気管分岐部から気管周囲に沿って頸部に広がる縦隔気腫が認められた。3例は発症翌日に、2例は発症当日に受診となった。尚、4例は受診時に既に頸部痛が軽減しており、外来と経過観察のみで7日以内に治癒していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007