発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157063
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19歳男.患者は戯れて背部を叩打された約3時間後,前胸部痛が出現した.頸部側面X線では咽頭および気管背側の軟部組織に頭尾方向に走る線状の透亮像を認め,胸部X線では縦隔左縁に沿って線状の透亮像が認められた.更に胸部CTでは心大血管,気管・気管支周囲に広範な縦隔気腫を認め,頸部には少量の皮下気腫が確認された.気管・食道損傷は認められなかったことから,背部叩打後に発症した縦隔気腫と診断された.治療として,絶飲食と安静を指示し,感染予防のため抗生物質投与を開始した.その結果,第2病日目には自覚症状は改善し,第3病日目には食事が開始された.以後,第8病日目の胸部CTでは縦隔気腫は消失し,第10病日目に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006