発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006313876
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症例1(14歳女性).頸部痛,嗄声,嘔気を主訴とした.症例2(16歳男性).胸痛を主訴とした.左自然気胸の既往があった.症例3(18歳男性).呼吸困難感,胸痛,両側耳痛を主訴とした.胸部単純X線およびCT所見により特発性縦隔気腫と診断し,保存的治療によって気腫は自然消失した.尚,症例1,2は運動が誘因と思われ,CPK,LDH値が上昇していた.症例3は誘因不明であった.症例1では発生機序に一般的なMacklin説を支持する所見を認めたが,症例2では肺動脈を気腫が取り囲んでみられるring-around-the artery signを両側の区域動脈に認め,縦隔から肺野への気腫拡大の可能性も考えられた.全例に頸部皮下気腫による握雪感が認められ,Hamman徴候は症例2,3で聴取できたが,症例1は縦隔気腫が軽度で聴取できなかった.退院後,再発は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2006