発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244267
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69歳男。慢性心房細動で通院中であった。労作時の息切れが増強したため入院した。中等度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)と三尖弁閉鎖不全症(TR)を認めた。心臓超音波所見では、中等度のMR、TRを認めた。造影CT所見では、細い左上大静脈(LSVC)が造影された。LSVCと冠状静脈が連続して造影された。冠状動脈造影所見では、冠状動脈に有意な狭窄はなく、冠状静脈に造影剤が通常より長く貯留した。左室造影所見では、MR3度を認めた。拡張期に僧帽弁近傍より左房への血流がみられた。僧帽弁形成および三尖弁形成術を施行した。術後覚醒は良好であったが、左上下肢麻痺を合併した。術後2日目に脳CTを行い、右内頸動脈領域の脳梗塞を認めた。リハビリテーションを行い、介助で車椅子移動が可能な状態まで回復し、術後9ヵ月でリハビリテーション病院へ転院した。現在は自宅で生活している。
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