発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055343
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58歳男.労作時呼吸困難を主訴に近医を受診,心エコー・心カテーテル検査にて大動脈弁閉鎖不全症(AR)と診断された.入院時,経食道心エコー所見で大動脈弁輪から右室流出路にかけて4×2cm大の腫瘤を認め,弁輪部膿瘍を疑い治療を開始したが炎症反応は改善せず,3回目の血液培養にてStaphyrococcus sanguisが検出された.感染性心内膜炎(大動脈弁輪部膿瘍)と診断を変更し3週間にわたる抗生剤の多量投与でも症状が改善しないため,入院42日目に手術を施行した.術中所見では心膜と心表面は強固に癒着しており,剥離すると右室流出路から主肺動脈起始部に板状硬の腫瘤を触知したため心臓腫瘍と認識した.人工心肺確立後の心内検索により腫瘍切除は不能と判断して大動脈弁置換術のみを施行した.病理組織所見ではcardiac mesothelial/monocytic incidental cardiac excrescence像を呈していた.術後17日目に化学療法目的で近医に転院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004