発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055336
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びまん性肺疾患に対して胸腔鏡下肺生検を施行した34症例の臨床経過を呼吸困難感あり(A群)19例と呼吸困難感なし(B群)15例の2群間で比較検討した.その結果,肺生検の組織学的診断は特発性肺線維症/通常型間質性肺炎18例,閉塞性細気管支炎を伴う器質化肺炎5例,リンパ球性間質性肺炎・非特異的間質性肺炎・サルコイドーシス各2例,剥離性間質性肺炎・塵肺症・気管支拡張症・Goodpasture症・Wegener肉芽腫各1例であった.両群間の比較では年齢・生検個数・平均手術時間・胸腔ドレナージ期間と術後平均入院期間には有意差を認めなかったが,生検後酸素投与期間はA群9.3±3.1日・B群1.8±0.4日,手術侵襲からの回復期間はA群9.4±3.0日・B群2.1±0.4日とA群が有意に長かった.生検後の合併症では糖尿病合併の1例で肺瘻を,創感染を1例で認めたがいずれも保存的に治癒できた.A群のうちHugh-Jones分類IV度とV度の2例が肺生検を契機に間質性肺炎の急性増悪をきたし死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004