発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008236410
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68歳男。転倒して右側胸部を強打し、右第7肋間中腋窩線上付近に5×10cmの膨隆部位を認めた。胸部CTで右第7肋骨骨折、右血気胸、右肺挫傷、皮下気腫を認め、第7肋間筋は欠損し、肺実質の一部は胸郭外に脱出していた。右胸腔ドレーンを開始し、血性胸水が排出され、X線で右肺の拡張を確認した。ドレーンは抜去したが、右側胸部の病変は呼吸性に膨隆・陥凹を繰り返し、咳嗽時には著しい胸壁の膨隆と不快感が生じるため、右肋間肺ヘルニアの診断でドレーン抜去後6日に手術を施行した。胸腔内の観察で前鋸筋が10cm、第7肋間筋群および壁側胸膜が15cmにわたって断裂しており、残存血腫を除去した後、断裂部位を一塊にして吸収糸で縫合修復した。第7肋骨の骨折は変位がなく、修復は行わなかった。術直後より右側胸部の膨隆は認めなくなり、7日後に退院した。2ヵ月経過して特に問題なく外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008