発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055339
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ダブルルーメンチューブの挿入困難あるいは不適切と思われた4症例(男性2例・女性2例,年齢59~84歳・平均74.2歳)に対して最近開発された気管支ブロッカー(CBB)を試用した.4例中3例はダブルルーメンチューブの気管内挿入困難で,1例は肺癌による高度気管支狭窄に対してステントが留置されているためCBBを留置した.その結果,CBBの留置は4例全例で成功し,挿入留置はいずれも容易かつ迅速に施行でき,CBBのファイバースコープを通した気管支ファイバースコープの出し入れや気道内観察,肺の虚脱も容易であった.また,直視下でのCBB先端部の位置確認も容易で,CBB留置手技は麻酔換気を中断することなく行えた.CBB留置時の経皮的酸素飽和濃度・心電図・血圧などの変化はなく,CBB留置中および術中の合併症はみられず,術後2~10ヵ月・平均5ヵ月の観察期間における合併症も認めていない.以上より,ダブルルーメンチューブ留置が困難あるいは不適切な症例においてCBBは有用であるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004