発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256274
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5ポートによる胸腔鏡下肺葉切除術の手技を紹介し、本術式を施行した肺癌88例(男60例・女28例・平均70歳)の成績を報告した。手術時間は平均148分、出血量は166mlで、胸腔ドレーン留置期間は2.6日、術後在院日数は9.7日であった。術後合併症は発作性心房細動5例、肺瘻3例、肺炎2例、喘息、気胸各1例であった。術死は1例で、対側の間質性肺炎増悪により術後19日目に死亡した。平均観察期間518日で、11例に再発を認めた。病理病期I/IIの71例のうち再発は6例で、肺内3例、肝2例、骨、脳各1例であった。病理病期IIIの17例のうち再発は5例で、いずれも縦隔から頸部にかけてのリンパ節転移を認め、肺内転移、脳転移を各1例で伴っていた。癌死は6例で、I期腺癌、I期小細胞癌、III期腺癌が各2例、他病死はI期の3例であった。本術式は助手による視野の展開により手術を安全にかつ効率よく進めることができ、腫瘍の局所制御も良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008