発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055335
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78歳女.突然の前胸部痛を主訴に近医を受診,急性心筋梗塞(AMI)を疑われ,緊急冠状動脈造影により左冠状動脈前下行枝の1枝完全閉塞と診断されたが,検査終了後ショック状態に陥り,胸部CT所見から心破裂を疑い緊急転送となった.入院時,検査所見から心室自由壁破裂の診断で緊急手術となり,経皮的心肺補助装置(PCPS)併用にて手術を進めた.手術では心嚢内に凝血塊を伴う血性心嚢液約200mlが貯留,左室前壁心尖寄りに認められたoozing領域をフィブリン接着剤や酸化セルロース貼付剤を用いて圧迫止血した.術後第3病日には心機能改善傾向を認め,タンポナーデ解除とPCPS抜去を行い,第11病日には人工呼吸器から離脱したが,第13病日に突然血圧低下・尿量減少・新たな収縮期雑音が出現した.心エコー上心室中隔穿孔が確認され,第14病日に穿孔修復術が施行され,術後経過は良好で退院となった
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