発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009275817
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75歳女性。患者は胸痛と背部痛を主訴に著者らの施設へ救急搬送となった。入院時、CTでは上行大動脈、下行大動脈の解離と、偽腔血栓化および上行大動脈に小さな潰瘍様突出像(ULP)が認められた。以上より、本症例は偽腔閉塞型StanfordA型急性大動脈解離と診断され、急性期の治療方針として安静と降圧を主体とする保存治療が行われ、あわせて1ヵ月後に慢性期の手術が施行しされた。その結果、手術時には腋窩動脈からの送血により術中解離再開通を起こし、内膜亀裂部が上行大動脈にあったため上行置換にとどめた。術後は経過良好で、退院前のCTでは上行大動脈の人工血管が良好であること、更に弓部大動脈から左腎動脈分枝レベルまでの解離残存が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009