急性大動脈解離の外科治療
手術手技 急性A型大動脈解離手術における経心尖部上行大動脈送血
和田 真一
1
,
山本 晋
,
本田 二郎
,
和田 秀一
,
平本 明徳
,
鈴木 博之
,
青木 雅一
,
松山 孝義
,
細田 泰之
1川崎幸病院 大動脈センター
キーワード:
人工心肺
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
脳循環
,
冠状動脈バイパス術
,
大動脈置換術
,
逆行性脳灌流
,
脳分離体外循環
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Coronary Artery Bypass
,
Cerebrovascular Circulation
,
Aneurysm, Dissecting
,
Heart-Lung Machine
pp.315-318
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205503
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急性A型大動脈解離手術における経心尖部上行大動脈送血の早期成績を検討した。対象は心尖部送血で手術を行った急性A型大動脈解離73例(男性41例、女性32例、平均年齢63歳)で、術前臓器虚血は脳6例、心4例、脊髄1例、腸管1例、腎4例、下肢5例であった。術式は上行置換64例(87.7%)、弓部置換9例で、手術、体外循環、循環停止時間の中央値はそれぞれ363分、222分、55分であった。1)全例で送血管の先端は真腔に留置でき、十分な人工心肺流量が得られ、術中に他の送血部位を要する症例はなかった。2)在院死亡は13例(17.8%:脳梗塞2例、心筋梗塞4例、腸管虚血1例、下肢虚血による血行再建後症候群2例、下行大動脈破裂1例、低心拍出量症候群(LOS)2例、不明1例)であった。3)周術期脳血管障害を確認、または疑われたのは5例(6.8%)で、1例は一度も覚醒することがなかった症例、残り4例はあらたに脳梗塞を来した症例で、術前状態はそれぞれ瞳孔不同1例、高度意識障害各1例、脳梗塞既往2例であった。
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