発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017152
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6年間に4例の開胸アプローチによる外傷性横隔膜ヘルニア手術を経験した.全例女性で,交通外傷で受傷した.症例1は67歳で,腰痛,呼吸困難を主訴とした.症例2は44歳で,意識障害を主訴とした.症例3は75歳で,ショックを主訴とした.症例4は67歳で,左胸痛,呼吸困難を主訴とした.症例1,2は画像診断を行う時間が十分あり,CTまたはMRIで術前に腹腔内臓器損傷のないことを診断した上,開胸アプローチで横隔膜を確実に修復することができた.症例3は全身状態が悪く,術前に画像診断が施行できなかった.血胸と横隔膜ヘルニアに対して緊急手術となり,胸部大動脈損傷のため術中死したが,救命のためには開胸アプローチが絶対適応であったと考えられた.症例4は腹腔内臓器に損傷のないことを画像で確定診断して,開胸アプローチで横隔膜を直接縫合した.開胸アプローチであったため,術中,心嚢損傷が発見されたが修復でき,術後経過は順調であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004