発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036377
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
77歳男性.患者は軽度の胸痛,運動時の右上肢のだるさで近医を受診,大動脈解離を指摘され紹介入院となった.心電図ではIII,aVF誘導にて異常Q波を認め,心エコーでは中等度の大動脈弁閉鎖不全(AR)を認めた.造影CTでは上行大動脈から両側総腸骨動脈におよぶ大動脈解離と,腕頭動脈(BCA),左総頸動脈(LCCA),左鎖骨下動脈(LSCA)にも解離を認めた.手術に先行してBCA,LCCA,LSCA再建用の樹枝状人工血管(BG)と大動脈再建用のBG作成した.術中,BCA起始部中枢側にentryを認め,BCA,LCCA,LSCAの起始部を離断してLCCA,LSCAに送血用カニューレを挿入し,右腋窩動脈からのBCA送血と合わせて脳分離体外循環を確立した.以後,各々の断端にBGを端々吻合してそれぞれ灌流を再開し,体外循環から離脱した.術後1日目で抜管となり,脳合併症もなく術後22日目には退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005