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編集後記
長野 敏宏
pp.542
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203386
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新型コロナウイルスのパンデミックが日本でも起こってから3年が経過した.感染防止一辺倒の対策から,ようやく次のステップに進もうとしている.その間,ご本人の望まぬ場所で,家族・友人との面会も叶わず一生を終えた方が多数いたのは想像に難くない.本当に心が痛い.しかし,それは新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく,従来の医療介護等の構造的な課題がより強調された結果であるとも考えられる.ACPの重要性がようやく認知されはじめ,一人ひとりが「どう生きて,どう一生を閉じていくか」が意識されはじめている今,OTをはじめ医療福祉専門職のあり方を大きく見直さなければならないと感じているのは私だけではないはずだ.
先日,急性期病院から訪問看護ステーションへ転職したPTと話す機会があった.急性期疾患を機に入院した方に対し,病院でリハビリを施し回復を促し退院していただくことを繰り返す仕事から,自宅で衰え続けるご本人と長くかかわり,さらには看取りにかかわる仕事への転換をどう捉えたらいいのか悩んでいた.私は終末期が近づけば近づくほど「リハビリは希望」と考え続けてきたので,悩むことは理解しつつも,役割や意味を見失わないでほしいとメッセージを送った.
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